書式を保ったままWord文書を翻訳する方法
文書を手早く翻訳するなら、テキストを翻訳サイトにコピーし、結果を貼り付け直す方法があります。翻訳そのものは問題なくても、文書はそうはいきません。太字の語は太字でなくなり、リンクは機能しなくなり、表は崩れ、ヘッダーとフッターは元の言語のまま残ります。語句を翻訳するのは簡単な部分です。文書が元の姿を保つように訳文を戻すのが、難しい部分なのです。このガイドでは、書式が崩れる理由、書式を認識する翻訳ツールがどう書式を保つのか、そしてそれでもご自身で確認する必要があることを説明します。
翻訳で書式が崩れる理由
Word文書は、テキストを「ラン」という単位で保存しています。ランとは同じ書式を共有するひと続きのテキストのことで、太字の語とリンクを1つずつ含む文は、太字の語の前の通常のテキスト、太字の語そのもの、さらに通常のテキスト、リンク、というように複数のランに分かれます。
翻訳では語順が変わります。英語では「the red car」と書きますが、フランス語では「la voiture rouge」となり、色を表す語が名詞の後ろに来ます。「red」が太字だった場合、太字はその語といっしょに、文の中の別の位置に移らなければなりません。コピー&ペーストでの翻訳ではランが丸ごと捨てられるため、書式はあっさり失われます。ランごとに翻訳するのはさらに悪い方法です。それぞれの断片が文のほかの部分なしに翻訳されるため、文法も意味もばらばらになってしまいます。
段落には、テキストではないものも含まれています。タブ位置、改行、行内に配置された画像、脚注番号、ページ番号のフィールドなどです。これらはすべて、語句が移動した文の中の正しい位置に収まらなければなりません。
書式を認識する翻訳ツールがレイアウトを保つ仕組み
うまくいく方法は、各書式がどこで始まりどこで終わるかに印を付けたうえで、段落全体を翻訳することです。当サイトの「文書を翻訳」ツールは、次のように処理します。
- 各段落を1つの単位として送ります。そのため、文は文法を保ったまま翻訳されます。
- 書式はタグで印を付けます。太字の語句、リンク、フォントや色の変更など、書式が適用される語句をタグで囲みます。翻訳エンジンは、訳された語句がどこに移っても、その周りに各タグを配置し、文書のランはタグが置かれた位置をもとに組み立て直されます。
- オブジェクトはプレースホルダーになります。タブ、改行、画像、脚注番号、フィールドは印として受け渡され、翻訳で置かれた位置にそのまま戻されるため、失われることはありません。
- 一部のテキストは保護されます。Webアドレス、メールアドレス、数値、金額、コード、数字で書かれた日付は、書かれたとおりに残ります。「2026年3月5日」のように文字を含む日付はまとめて翻訳されるため、翻訳先の言語で自然に読めます。
- 文脈もいっしょに送られます。表の見出しのような短いテキストは、周りのテキストを添えて翻訳されるため、「Bank」(銀行/土手)や「Close」(閉じる/近い)のような語も、文書で使われている意味で読み取られます。
それでも変わるものとその理由
すべてのランが正しい位置にあっても、翻訳した文書は元の文書とまったく同じにはなりません。
- 長さ:訳文は原文より長くなることがよくあります。たとえばドイツ語やフランス語は、たいてい英語よりも多くのスペースを取ります。テキストボックスからはみ出したり、表のセルで行が増えたり、改ページの位置が変わったりします。
- フォント:ラテン文字用に作られたフォントには、アラビア語、中国語、タイ語の文字がないことがあります。その場合Wordは別のフォントに置き換えるため、文字間隔や改行位置が変わることがあります。
- 文字の方向と句読点:アラビア語やヘブライ語のような右から左に書く言語や、独自の句読点の規則を持つ言語では、配置と句読点を念入りに確認する必要があります。
- 翻訳されないもの:画像の一部になっているテキスト、グラフ内のテキスト、コメントは翻訳されません。スキャンしたPDFにはテキストがまったくなく、テキストを写した画像があるだけなので、「文書を翻訳」はスキャンを受け付けません。
「文書を翻訳」で翻訳する
「文書を翻訳」はアカウントをお持ちの方向けです。64 MBまでのDOCX、DOC、PDFファイルに対応し、テキストは100,000文字まで、100以上の言語に翻訳でき、アカウントごとに1日あたり100,000文字まで翻訳できます。翻訳を始める前に、文書にどれだけのテキストが含まれているかを確認できます。
- 受け取る形式を選びます。アップロードした直後に、Word文書かPDFかを選びます。選択はそのアップロードについて固定されます。もう一方の形式で受け取るには、ファイルをもう一度アップロードしてください。
- 言語を選びます。区別のある言語では、フォーマルかカジュアルかの文体も選べます。
- 原文と並べて確認します。各セグメントが原文の横に表示され、翻訳したページが仕上がりの見た目で表示されます。原文より長くなった、枠で切れてしまった、ほかのものと重なったなど、収まらなくなった箇所はお知らせするので、修正できます。
- 確認しながら編集します。ページ上の行をクリックして編集したり、テキストをドラッグして移動したり、検索と置換を使ったり、「原文を使用」を選んで名前や用語を原文のとおりに残したりできます。
- 翻訳した文書をダウンロードします。対訳のWord文書とプレーンテキスト版も用意されています。
アップロードする前に、テキストがどこへ送られるかを知っておきましょう。ファイルは当サイトのサーバーで処理され、ページを閉じてから約5分後に自動的に削除されます。PDFや.docファイルは、翻訳の準備のために文書変換サービス提供者にも送られ、同提供者はそれを3時間以内に削除するとしています。ファイルではなく文書のテキストが機械翻訳サービス提供者に送られ、同提供者はテキストを保持し、サービスの改善など自身の目的に使用することがあります。文書が機密である場合や、第三者との共有が許されていない場合は、この方法で翻訳しないでください。また、編集内容は保存されないため、ページを閉じる前に結果をダウンロードしてください。
きれいに仕上げるための文書の準備
元の文書でのちょっとした習慣が、翻訳に大きな違いをもたらします。
- 見出しや本文にはWordのスタイルを使いましょう。空の行ではなく段落の間隔を使えば、テキストが長くなっても、すべてがずれてしまうことはありません。
- 段組みには表を使いましょう。スペースやタブを並べた行は、語句の長さが変わるとばらばらになってしまいます。
- テキストボックス、ラベル、幅の狭い表の列には、長くなるテキストのために余裕を持たせましょう。
- テキストはテキストのままにしましょう。画像に焼き込まれたキャプションやラベルは、元の言語のまま残ります。
- 先に編集を終えましょう。変更履歴を承諾または却下して、翻訳する各文の版を1つにしておきます。
スキャンしかない場合は、先に「PDFをWordに変換」で変換し、認識されたテキストを確認してから、Wordファイルを翻訳しましょう。
機械翻訳は下書きです
機械翻訳は速く、とても優れていることも多いのですが、名前、数字、専門用語、否定を誤訳したり、語調を誤ったりすることがあります。認証翻訳や宣誓翻訳ではありません。法律、医療、金融、公的な用途では、資格を持つ翻訳者に確認してもらいましょう。それ以外の場合も、送る前に訳文を通して読み、数字と名前をすべて確認し、できれば特に重要な部分をネイティブスピーカーに読んでもらいましょう。
まとめ
翻訳ツールが段落全体を扱い、太字の語、リンク、画像がそれぞれどこに属するかを把握していれば、書式は翻訳後も保たれます。テキストが長くなることを見越して余裕を持たせ、フォント、表、画像の中のものを確認しましょう。そのうえで訳文そのものを確認してください。書式が完璧な文書でも、数字が1つ間違っていれば、間違った文書だからです。
翻訳したい文書がありますか?「文書を翻訳」をお試しください。
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