PDFをパスワードで保護する方法と、2種類のパスワードの意味
PDFには2種類のパスワードを設定でき、その役割はまったく異なります。1つは文書を暗号化し、パスワードを知らない人は誰も読めないようにします。もう1つは、閲覧ソフトに印刷、コピー、編集をさせないよう求めるだけで、文書そのものは誰でも開けます。後者を設定したのに、前者を設定したと思い込んでいる人は少なくありません。このガイドでは、その違い、PDFのパスワードを強くする要素、そして自分の作業ファイルから自分を締め出すことなくファイルを保護する方法を説明します。
開くためのパスワード
開くためのパスワードは、PDFの仕様では「ユーザーパスワード」、Adobe Acrobatでは「文書を開くパスワード」と呼ばれ、実際に保護の役割を果たすのはこちらです。設定すると、ファイルの内容が暗号化されます。パスワードがなければ、PDFリーダーには意味のないデータしか表示できません。プレビューも表示できず、検索ツールがテキストをインデックスすることもできません。
これがどれだけ確実に守ってくれるかは、使われている暗号化方式と、選んだパスワードの2つで決まります。どちらも以下で説明します。
権限パスワード
権限パスワードは、仕様では「オーナーパスワード」と呼ばれ、すでに開ける文書に対して何ができるかを制御します。印刷、編集、テキストや画像のコピー、コメントの追加、フォームへの入力、ページの抽出を制限できます。
ここに落とし穴があります。権限パスワードはあっても開くためのパスワードがないPDFは、何も求められずに開けます。ファイルは技術的には暗号化されていますが、どのリーダーでも表示できなければならないため、どのリーダーでも割り出せる鍵で暗号化されています。つまり制限は、閲覧ソフトに守るよう求めるフラグの集まりにすぎません。Adobeのソフトウェアや主要なリーダーのほとんどはそれを守ります。守らないことを選んだソフトウェアは、完全に無視できます。
そのため、権限パスワードは、フォームがうっかり編集されるのを防いだり、下書きが印刷されないようにしたりするなど、気軽な変更を思いとどまらせるには役立ちます。しかし、誰かが文書を読むのを防ぐものではなく、どうしてもコピーしようとする人を止める手段として頼るべきではありません。
2つのパスワードは同時に設定できます。その場合、開くためのパスワードでは制限の範囲内で文書を読むことができ、権限パスワードでは文書を開いたうえで制限も解除できます。
パスワードを支える暗号化
PDFの暗号化は、形式が登場してから大きく変わってきました。非常に古いファイルは40ビットの鍵を使うRC4で暗号化されており、パスワードがどれほど優れていても、すべての鍵を試すことで破られてしまうほど脆弱です。その後の版では128ビットのRC4、次にAES-128へと移り、現在のPDF規格ではAES-256が使われています。選ぶべきなのはこれです。
ファイルがどの方式を使っているかは、PDFリーダーの文書のプロパティで確認できます。Adobe Acrobat Readerでは、[ファイル]→[プロパティ]→[セキュリティ]にあります。重要な文書で古い方式が表示された場合は、最新のツールで保護し直しましょう。
パスワードに必要な強さ
PDFのパスワードは、Webサイトのパスワードとは違う方法で攻撃されます。ファイルの写しを持っている人は、自分のコンピューターで、ハードウェアが許す限りの速さでパスワードを試すことができます。3回間違えてもロックされることはなく、誰にも通知されません。パスワードが推測しやすければ、強力な暗号化も役に立ちません。
- 最も大切なのは長さです。無関係な単語を4つか5つ並べたパスフレーズは、記号だらけの短いパスワードよりはるかに推測されにくくなります。
- 個人的な情報は避けましょう。誕生日、名前、郵便番号は、攻撃者が最初に試すものです。生年月日で保護した明細書は、それを知らない人からしか守られていません。
- パスワードを使い回さないでください。ほかの人に送るPDFの保護に、メールや銀行口座のパスワードを使ってはいけません。
パスワードをどう伝えるかは、パスワードそのものと同じくらい重要です。ファイルと同じメールでパスワードを送らないでください。そのメールが転送されたり傍受されたりすると、ファイルとその鍵がいっしょに渡ってしまいます。パスワードは、ショートメッセージや電話など、別の方法で伝えましょう。
SuperFastFilesでPDFを保護する
当サイトの「PDFをパスワードで保護」ツールは、開くためのパスワードを設定し、AES-256でPDFを暗号化します。開く人は誰でもパスワードを求められます。ファイルを追加してパスワードを入力し、保護されたコピーをダウンロードするだけです。
ファイルとパスワードは文書変換サービス提供者に送られ、同提供者はファイルと結果を3時間以内に削除するとしています。パスワードは、そのファイルの暗号化にのみ使われます。当サイトはパスワードを保存せず、パスワードを復元したり、再設定したり、代わりにファイルを開いたりすることはできません。パスワードを紛失すると、内容に二度とアクセスできなくなるおそれがあるので、パスワードマネージャーなどの安全な場所に保管してください。
すでにパスワードがあるPDFは、そのまま保護し直すことはできません。ツールは、わかっているパスワードを使って先にロックを解除し、それから新しいパスワードで保護するよう案内します。
保護は最後の手順にする
PDFに開くためのパスワードを設定すると、当サイトのものも含め、ほとんどのツールはそれを読めなくなります。「PDF結合」「PDFに署名」「PDFをWordに変換」「PDFをExcelに変換」「PDFを圧縮」はどれもファイルを開く必要があるため、保護されていることを知らせてきます。ですから、文書を仕上げてから保護しましょう。
- ファイルを結合し、ページを並べ替え、不要なページを削除します。
- 署名し、送るには大きすぎる場合は圧縮します。
- そのうえでパスワードを設定し、保護されたコピーを送ります。
後からパスワードなしで変更できるよう、保護されていない元のファイルを人目につかない場所に保管しておきましょう。
パスワードではできないこと
パスワードが管理するのは、誰がファイルを開けるかです。その後に起きることには何の効果もありません。パスワードを知っている人は誰でも、それを共有したり、たとえば文書を新しいPDFに印刷するなどして、保護されていないコピーを保存したりできます。パスワードに有効期限はなく、誰がいつファイルを開いたかも記録されません。
また、暗号化の対象は文書の内容であり、文書に関するすべてではありません。ファイル名が暗号化されることはなく、ツールによっては、タイトルや作成者などの文書の説明情報が読める状態のまま残ります。ファイル名には機密情報を入れないでください。
最後に、パスワードは文書全体を、すべてかゼロかで保護します。文書を共有しつつその一部を秘密にしておきたいなら、パスワードは適切な手段ではありません。それらの部分を墨消しして、ファイルから完全に取り除く必要があります。
まとめ
PDFの2つのパスワードのうち、文書を読まれないようにするのは開くためのパスワードだけです。権限パスワードは、行儀のよいソフトウェアが守ってくれる要望にすぎません。最新の暗号化で開くためのパスワードを設定し、長いパスフレーズを選び、ファイルとは別に伝え、文書が完成してから最後の手順として設定しましょう。
文書にロックをかけてみませんか?「PDFをパスワードで保護」をお試しください。
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